日本国内利用者数が4500万人を突破したTwitterは、企業にとって重要なマーケティングツールとして活用されており、公式アカウントを持って情報を配信したり、キャンペーンやプロモーションの施策として活用することが当たり前となってきました。
ユーザーは知りたい情報を手軽に入手することができ、企業にとっては費用を掛けずに情報を伝える手段となっており、双方にとって有益なツールとなっています。
ですが、取り組む企業が増えたことでユーザーの選択肢が増え、Twitterを定期的に運用するだけではフォロワーは思ったよりも増えていかなくなりつつあります。
実際のSNS運用担当者の皆さまの中にも、「思ったような成果がでないな…」と感じている方も多いのではないでしょうか?
そのような中で注目されているのが、Twitterキャンペーンの実施です。
定期的な運用にプラスしてTwitterキャンペーンを行うことで、多くのユーザーの目に触れる機会を作ることができ、企業にとっての目的達成のスピードを上げることができます。
この記事では、Twitterを使ったキャンペーン構成の考え方、実際にキャンペーンを行う上で注意したいポイントを分かりやすく解説しています。
これからTwitterによるキャンペーンの実施を検討されている企業のSNS運用担当者の方は、ぜひ参考にご覧ください。
キャンペーン運用のコツ
キャンペーンを実施する際に覚えておいてほしいことがあります。
それは、Twitterキャンペーンの仕組みや手法を理解しておくこと。すでに多くの企業がキャンペーンを実施しているため、内容に違和感のあるキャンペーンにはユーザーは反応してくれません。
ますはしっかりとキャンペーン構成の考え方を理解していきましょう。
1-1:キャンペーンの目的を決める
はじめに、Twitterキャンペーンを行う目的を明確にする必要があります。
「競合他社がやっているから…」や「上司からの指示でとりあえず…」やっていては、面白味のないキャンペーンになりがちです。
しっかりと目的を定めることが、キャンペーンを行う上での第一歩となります。
Twitterキャンペーンに期待する成果例
- フォロワーを増やしたい
- ブランド認知度を向上したい
- ツイートのエンゲージメント(リツイートやいいね)を増やしたい
- アプリインストール数の向上に繋げたい
- 動画再生回数の増加
目的によってキャンペーンの内容やゴールの設定が大きく変わってきます。
あらかじめ自社で行うキャンペーンがどんな目的で、どのような成果を求めているのかを明確にしておきましょう。
1-2:キャンペーンの形式を決める
キャンペーンを行う目的が明確になったら、次はキャンペーンの形式を決定します。
Twitterのキャンペーンには、以下の5つの形式が基本となっています。
- フォロー&いいね
- フォロー&リツイート
- インスタントウィン
- フォロー&ハッシュタグ投稿
- カンバセーショナルカード
はじめてTwitterキャンペーンを行う際には、あまり凝った内容にせず、分かりやすいものから始めると良いでしょう。
凝った内容を作ると、その分参加するためのユーザーの理解や手間が増えていきます。
まずはフォローしてもらうことが目的であれば、フォロー×いいね又はリツイート等、気軽に参加できるものがおすすめします。
では、それぞれの形式を説明いたします。
・フォロー&いいねキャンペーン
「フォロー&いいねキャンペーン」は、Twitterの企業アカウントをフォローした上で、指定されたキャンペーンツイートに「いいね」をすることで参加完了となります。
手軽に参加できることが特徴で、多くのユーザーに参加してもらうことが期待できます。キャンペーンのハードルを下げて、まずはTwitterのフォロワーを獲得したい!というときに相性が良い形式です。
・フォロー&リツイートキャンペーン
「フォロー&リツイートキャンペーン」は、企業のTwitterアカウントをフォローし、指定されたキャンペーン投稿を「リツイート」することで参加完了となります。
ユーザーが手軽に参加でき、キャンペーンツイートを広く拡散させることが可能な形式です。
内容によっては爆発的な拡散が起こる「バズる」状態も期待でき、Twitterトレンドに入ることでさらに広く拡散される可能性も秘めています。
Twitterキャンペーンの中では最もメジャーな形式となります。
・インスタントウィンキャンペーン
フォロー&リツイートキャンペーンの派生として「インスタントウィン」というキャンペーン形式があります。
指定条件を満たすことで、自動返信により即時にプレゼントの抽選結果がわかるという仕組みのキャンペーンです。
指定条件は多くの場合フォロー&リツイートが利用されています。
気軽に参加でき、すぐに結果が分かるというエンタメ性も高いため、キャンペーン参加者が増えやすい人気の手法です。
プレゼントをデジタルクーポンなどをに設定することでオンラインで完結でき、運用上の負担を削減できるというメリットも魅力となっています。
・フォロー&ハッシュタグ投稿キャンペーン
「フォロー&ハッシュタグ投稿キャンペーン」は、Twitterの企業アカウントをフォローした上で、特定のハッシュタグをつけてテキストや画像、動画を投稿するキャンペーン形式です。
自社キャンペーンに関連したユーザーの投稿を多く獲得でき、広く話題を生み出せるメリットがあります。
写真コンテストなどによってクオリティの高い写真を集め、自社アカウントで紹介したりホームページに掲載、広告クリエイティブとして二次利用するなど、様々な応用がある手法で、顧客との関係性を高めることを目的とする企業に人気の手法です。
・カンバセーショナルカードキャンペーン
「カンバセーショナルカード」とは、Twitter投稿に指定ハッシュタグ付きのCTA(コール・トゥ・アクション)ボタンを最大4つまで設定できる機能です。
ユーザーがボタンをタップすると、指定されたハッシュタグが自動的に挿入されたツイートの作成画面が立ち上がり、スムーズにキャンペーンに関連した投稿を促すことのできる、ユーザーにとって参加しやすい手法となっています。
カンバセーショナルカードを使って投稿してくれたユーザーに対して、特別な投稿を自動で返信する機能もあるため、ユーザー投稿数の獲得とコミュニケーション性に優れたキャンペーンを作ることができます。
1-3:キャンペーンのKPIを設定
キャンペーンの目的、形式が決まったら、目的を達成するためのKPIを設定しましょう。
企業が定めるKPIとして、多く用いられるものは以下のような指標になります。
- Twitterアカウントのフォロワー増加数(キャンペーン参加者数)
- インプレッション数、動画再生数
- エンゲージメント数(クリック、いいね、リツイート、コメントなど)
- ユーザー投稿(UGC)獲得数
- サイト遷移数
- 店舗・イベント来店数
- 商品購買数
フォロワーを増やした上で、自社サイトへ遷移させて、最終的には購買につなげたい!と欲張りたくなりますが、1つのキャンペーンで多くのKPIを設定してしまうと、目的が分散して効果が薄くなる可能性があります。
1つのキャンペーンでKPIは1つ、多くても2つまでの最低限のKPIをセットし、重点的に最大化させるような企画とした方が高い成果が期待できます。
1-4:クリエイティブにこだわる
KPIを定めた後は、ターゲット層にマッチしたクリエイティブ制作にこだわりましょう。
大前提、テキストのみのキャンペーンはほとんどのユーザーにスルーされてしまいます。
また、URLで別ページへ誘導されることも、ほんの少しのことではありますがユーザーからすると手間となると考えられています。
Twitterでキャンペーンを行う場合、限られた文字数と画像で意味を理解してもらい、応募したくなるような魅力が必要となります。
目に入りやすい画像には「ターゲットに対して適切なものになっているのか?」という視点を中心に、分かりやすさにこだわって作っていきましょう。
もし複数の画像制作が可能な場合は、いくつかのパターンで画像を作成し、反響の良いパターンを蓄積していくことで、キャンペーンの質はどんどん高めていくことができます。
1-5:余裕があれば広告による配信の検討
最後に、キャンペーンに最大成果を求める場合、広告配信が有効です。
Twitter広告ではキャンペーンに「総予算」と「1日の上限予算金額」の設定が可能ですので、せっかくキャンペーンを行うのであれば、少額でも目に触れる機会を増やすために利用することを推奨します。
広告を出す場合は、前述した通りクリエイティブも複数用意し、効果検証を進めていきながら、より効果の高い投稿に予算を多く配分していくと良いでしょう。
1-6:効果分析をする
キャンペーンを実施して「一定の成果が出て良かった」で、終わってはいけません。
キャンペーン期間が終了したら必ず効果分析を行ってください。
あらかじめ設定したKPIは達成できているのか、又は達成できなかった場合はその要因は何なのか。
分析・考察して、次回の施策へ生かせるようにノウハウを蓄積していくことが、質の高いキャンペーンを行うコツです。
Twitterキャンペーンがうまくいかない企業がやりがちな失敗
Twitterキャンペーンを紹介する記事の中には、SNSの企業アカウントをフォローした目的の88%が「お得なクーポンやキャンペーン・セール情報を収集するため」というデータもあり、「キャンペーンを皮切りに人気アカウントに成長させたい」という狙いを持っている企業の運用担当者様は多いと思います。
ここでは、Twitterキャンペーンの運用がうまくいかない企業のやりがちな失敗例を2つ紹介します。
Twitterキャンペーンで成果を上げるため、やってはいけないことを理解しておきましょう。
2-1:キャンペーンに複数の成果を求めている
「このキャンペーンでは、フォロワーを増やして、商品に対してのコメントももらって、20代から70代の広い層に拡散する狙いで…」と、1つのキャンペーンで複数の成果を求めてしまうことが、最もやりがちな失敗例です。
Twitterは伝えられるメッセージ量が限られており、その限られたメッセージの中で、興味を引く必要があります。
その限られたメッセージ量の中で、多くの世代に受け入れられる内容や、フォローだけではなくコメントを貰うなど手間のかかる応募方法にすると、フォローしてもらうことすら叶わない結果となる可能性が大です。
すでに一定の認知のあるアカウントであれば別ですが、初めて目にする企業名や商品名に対して、ユーザーはそこまで手間をかけてくれません。
「まずはフォローしてもらうことを狙いにしよう」等、明確にゴールを定めておくことが、狙った成果を達成する第一歩です。
2-2:「とりあえずやってみる」が続いている
「とりあえずキャンペーンをやってみるか…」、これ自体は問題ありません。
まずは成功するなり、失敗するなり、チャレンジしてみることで得られることも多くあります。
やりがちな失敗は「やってみるか…から成長しない」アカウントです。
例えば、初めて行ったキャンペーンで「目標としていたフォロワーが獲得できた!」ことはすばらしい成果です。
一方で、失敗しているアカウントはその成功体験に味を占め、同じ内容のキャンペーンを繰り返してしまいがちです。
単純にフォロワーを獲得し続けることは成果には繋がらず、次は繋がったフォロワーに対してのキャンペーンを考える必要があります。
せっかく繋がったフォロワーを、顧客化するための計画がなければ意味がありません。
しっかりと、フォロワーの獲得用のキャンペーンや、フォロワーに対して商品やサービスに興味持ってもらうキャンペーン等、計画をして顧客化につなげていきましょう。
まとめ
Twitterキャンペーンは目的やKPIを明確にしないまま実施すると、工数はかかったのに思ったような成果がでない、成果が出ているのか分からない…という結果になりかねません。
キャンペーン構成を考え、「だれに」「何を」「どのように」行動してもらいたいのかを明確にして、それに見合ったキャンペーンを行いましょう。
それぞれのキャンペーンを単発で終わらせずに、分析・効果測定をして次回以降のキャンペーンにつなげていくことが運用のポイントです。
失敗する事例でキャンペーンを設計されていた場合、ぜひ改めて目的から見直してみてください。