スマートフォンやソーシャルメディアの普及にともない、「ソーシャルリスニング」を行う企業が増えています。
ソーシャルリスニングでユーザーのリアルな声を収集できれば、企業活動に幅広く活かせるでしょう。
今回は、ソーシャルリスニングの概要やメリット、ソーシャルリスニングの流れなどを解説するので、ぜひ参考にしてください。
ソーシャルリスニングとは?

「ソーシャルリスニング(Social Listening)」とは、ソーシャルメディア上のユーザーの会話・意見を集めて分析し、今後のマーケティング戦略に活用することです。
ソーシャルメディアには、InstagramやTwitter、口コミサイトなどが該当します。
なお、ソーシャルリスニングのようにユーザーの声を活かす手法として、従来から「アンケート調査」が行われています。
アンケート調査では「質問する(=Asking)」のに対し、ソーシャルリスニングでは「傾聴する(=Listening)」ことから、ソーシャルリスニングのほうが、よりリアルなユーザーの声を得られやすいといえるでしょう。
ソーシャルリスニングが注目されている背景
ソーシャルリスニングは、スマートフォンが普及し、誰もがSNSなどを活用して自由に意見を発信できるようになったことで、注目されるようになりました。
現在では、買い物をする際に他人のレビューを参考にする人は、年代に関係なく6割を超えています。
企業が発信する情報ではなく、「同じ消費者が発信する情報」を参考にしている点がポイントです。
したがって、参考にされているレビューをソーシャルリスニングで調査することは、商品開発やリスク管理などに欠かせません。
ソーシャルリスニングのメリット・注意点
メリットの多いソーシャルリスニングですが、注意点もあります。
ここでは、ソーシャルリスニングのメリットと注意点を見てみましょう。
メリット
ソーシャルリスニングのメリットは、次の4つです。
- ユーザーのリアルな声を集められる
→先述のとおり、ユーザーの本音を得られやすいのがメリットです。
また、会話を時系列で捉えることができたり、一緒に投稿される写真や動画などからも情報が得られたりします。 - キャンペーンや広告、顧客対応などの成果を測れる
→打ち出したキャンペーンや広告、顧客対応に対するフィードバックをリアルタイムで把握できます。 - 業界の動向がわかる
→同じキーワードで定期的にソーシャルリスニングを実施すると、業界の動向やユーザーのニーズの変化などが読み取れます。 - 潜在的なリスクを検知・管理できる
→自社に関する風評被害などを未然に防止しやすくなります。
注意点
ソーシャルリスニングを行う際は、次の点に注意しましょう。
- ユーザー層が特定しにくい
→匿名性が高いソーシャルメディアでは、実際の性別・年齢などがわからないケースもあります。
そのため、ユーザー層を特定するのが難しいかもしれません。 - ユーザーの意見に寄せることで商品・サービスのオリジナリティが失われる可能性がある
→ユーザーの声に寄り添うことは大切ですが、それが過剰になると、自社商品・サービスのオリジナリティが薄れるリスクがあります。
ソーシャルリスニングでの分析結果は、しっかりと精査すべきでしょう。
【4ステップ】ソーシャルリスニングの流れ
ソーシャルリスニングは、次の4ステップで進めます。
STEP1:調査の目的を明確にする
STEP2:調査対象のメディアとキーワードを選定する
STEP3:データを収集・分析する
STEP4:今後の戦略に活かす
それぞれのステップについて、以下で解説します。
STEP1:調査の目的を明確にする

ソーシャルリスニングを「情報収集」目的で行ってしまうと、あまり効果は得られないでしょう。
まずは、「何のために調査を行い、その結果をどう活かすのか」という目的を明確にしてください。
STEP2:調査対象のメディアとキーワードを選定する

続いて、欲しい情報があるであろうソーシャルメディアを選定します。
欲しい情報があるだけでなく、タイムリーな情報が得られるかもポイントです。
また、キーワードの選定も行います。
ユーザーが発信するワードは定形ではないため、適切なキーワードを選定しておかないと、欲しい情報が手に入らないため注意してください。
STEP3:データを収集・分析する

無料または有料ツールを活用して、データを集めます。
選定したキーワードで欲しい情報が得られなさそうであれば、STEP2に戻り、再考しましょう。
データが集まったら、分析します。
STEP4:今後の戦略に活かす

ソーシャルリスニングでは、ポジティブな意見・ネガティブな意見の両方が見えてきます。
それらを今後の戦略にしっかりと活かすことまでが、ソーシャルリスニングの一連の流れです。
まとめ
ソーシャルリスニングは、単にユーザーのリアルな声を集められるだけでなく、キャンペーンや広告などの成果を測れる、潜在的なリスクを検知・管理できるといったメリットがあります。
何より、今後のマーケティング戦略に活かせることが大きな特長です。
成果向上を実現するため、ソーシャルリスニングの実施を検討してみてはいかがでしょうか。
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