コンプレックス商材は、本来「人々の悩みを解決するためのもの」であるはずです。
しかし近年では、コンプレックスを煽るような広告表現がエスカレートしており、規制強化が進んでいます。
コンプレックス商材のSNSマーケティングを実施するなら、あらためてユーザーの気持ちに寄り添い、健全な方法で発信していく必要があります。
今回は、コンプレックス商材の概要などを解説するとともに、コンプレックス商材のSNSマーケティングにおけるポイントを紹介します。
SNSマーケティング担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
コンプレックス商材とは?
コンプレックス商材とは、人々のコンプレックスに訴求する商材を指します。
より簡単にいうと「コンプレックスを解消するための商材」です。
人々のコンプレックスには、以下のようなものがあります。
- 薄毛や白髪など髪の毛に関すること
- ニキビやしみ、シワなど肌に関すること
- 目の大きさや鼻の高さなど顔の造形に関すること
- 口臭や体臭などニオイに関すること
- 体格・体型に関すること
上記のようなコンプレックスを解消するための、育毛製品や白髪染め、美容液、化粧品、サプリメントなどがコンプレックス商材に該当するでしょう。
コンプレックス商材は悪質な広告も多い
コンプレックス商材の市場規模は大きく、それだけ消費者はさまざまな悩みを抱えているといえます。
一方で市場規模が大きいことから、コンプレックス意識を助長させるような悪質な広告により、消費者の反応を得ようとするケースもあるようです。
このような悪質な広告は倫理的に問題視され、近年ではコンプレックス商材の広告の規制強化が進んでいます。
例えば、Yahoo! JAPANの広告掲載基準では、コンプレックス部分を露骨に表現した広告の出稿が禁止されています。
しかし、以下のような広告が複数見受けられたため、2020年にあらためて広告掲載を禁止する旨が通知されました。
<例>
・ふくよかな体型であることが原因で、周囲の人から一緒に歩くことを避けられてしまった
→ダイエット商品を利用したら、そのようなことがなくなった
・体毛が濃いことが原因で異性にもてなかった
→除毛製品を使用したら、異性にもてるようになった
コンプレックス部分を露骨に表現した広告を規制する理由として、Yahoo! JAPANでは「一部の身体的特徴をコンプレックスであるとして表現することは、差別意識を温存、助長するものであり、決して許されるべきものではない」と説明しています。
引用・参照:https://ads-developers.yahoo.co.jp/ja/ads-api/announcement/209003.html
コンプレックス商材のSNSマーケティングにおけるポイント
では、コンプレックス商材のSNSマーケティング戦略は、どのような点に注意して考えていけばよいのでしょうか。
ここでは、大きく分けて4つのポイントを紹介します。
薬機法や景品表示法を遵守する
前提として、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)や景品表示法を遵守する必要があります。
コンプレックス商材に関して誇大表現をした場合、景品表示法に抵触する恐れがあるでしょう。
また、コンプレックス商材が化粧品や医薬品などに該当する場合は、薬機法のルールに従った表現方法にしましょう。
ユーザーが不快に感じる表現は用いない
コンプレックス商材の広告の規制強化が進んだきっかけには、消費者からの「不快に感じる」という苦情の増加もあると考えられます。
そのため、コンプレックス商材のSNSマーケティングを成功させるには、ユーザーが不快に感じないようにすることが大切です。
「太っていると嫌われる」など、根拠がないのにもかかわらず、あたかも事実であるかのように決めつけた「ネガティブ広告」にも注意が必要です。
商材を押し売りするための広告ではなく、ユーザーの選択肢を広げるための広告になっているかという観点でチェックしてみましょう。
ターゲットは広めに設定する
コンプレックス商材は、UGC(ユーザー生成コンテンツ)による拡散はあまり期待できません。
UGCとは、ユーザーによるSNSへの投稿やECサイトのレビューなど、企業ではなくユーザーによって発信されるコンテンツのことです。
UGCによる拡散が期待しづらいのは、コンプレックスは「他人に知られたくない」という思いがあるためです。
したがって、ターゲットは広めに設定しておき、最初から幅広い層に届けることを目指すと効果的でしょう。
時代の価値観に適応していく
時代によって、人々の価値観は変化します。
例えば、これまでは「面白い」ととらえられていた表現が、時代が変わり「差別的だ」ととらえられるといった状況は容易に起こり得るでしょう。
特に昨今では価値観が多様化しており、決めつける表現は好まれません。
時代の変化に柔軟に適応していくことも、SNSマーケティングを成功させる重要なポイントです。
まとめ
髪の毛や肌、体格・体型などに関するコンプレックス商材は、悪質な広告も多く規制強化が進んでいます。
また、表現方法によっては、広告を不快に感じる消費者が多いのも事実です。
このような背景を考慮しつつ、コンプレックス商材のSNSマーケティングを成功させるためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 薬機法や景品表示法を遵守する
- ユーザーが不快に感じる表現は用いない
- ターゲットは広めに設定する
- 時代の価値観に適応していく
SNSマーケティング総合支援サービス「SNS PLUS+」が提供する「I.P.C」では、広告専門弁護士と提携し、コンテンツの内容が薬機法・景品表示法・特定商取引法に適合しているかチェックできます。
ステマ(ステルスマーケティング)規制に違反しないという観点からもチェック可能なため、これからSNSマーケティングを実施する方は、ぜひ「I.P.C」をご活用ください。